ペーパーレス専門会社の株式会社vividです。
様々な記事でご紹介していますが、ペーパーレス化は今国が積極的に進めていきたい案件になります。
元々十数年前に法律改正によってスキャナーのスキャンによる電子帳票を認める法律が出来てから10年近く経ち、状況が変わらないということで2015年から連続で改正されています。
何故国がここまで電子化を進めていきたいのか?
経済産業省が公開しているレポートに国としてどう考えているのか詳細が載っていますのでご紹介します。
本日は紙文書を取りまく環境についてです。
● 紙文書保存の規制を緩和するe-文書法
e-文書法はIT化社会となったことで、企業の事業活動が電子媒体中心(パソコンなど)になったことから検討されました。
紙文書に比べ、電子化文書は社内での共有や検索機能による閲覧が容易なため、紙文書と比較して組織の業務を円滑に遂行でき、事務効率を大幅に向上出来るメリットがあることから2005年にe-文書法が制定されました。
● 元々e-文書法はe-Japan 戦略の一環として成立
e-Japan(イージャパン)とは、日本政府が掲げた、”日本型IT社会の実現”を目指す構想、戦略、政策の総体です。
2000年に森喜朗内閣総理大臣が、衆参両院本会議(第150回国会)の所信表明演説で、「E-ジャパンの構想」として示したのがきっかけです。
企業の業務活動で日々発生する文書や帳票の電子保存を容認する動きは、1997年頃から加速し、次のような法律が相次いで制定されました。
e-文書法が制定する前の話です(e-文書法は2005年制定)
・ 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律(平成2 年法律第30 号)
・ 電子帳簿保存法(「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」平成10 年法律第25 号)
・ IT 書面一括法(「書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律」平成12 年法律第126 号)
・ 商法等の一部を改正する法律(平成13 年法律第128 号)
このように急速に法律が制定され、書類を電子化を実施しやすい環境を作ったのはいいですが、問題点もありました。
これらの法律が対象にしていたのは、最初からパソコンで作成した文書(電子文書)で、紙文書をイメージスキャナなどで電子化した文書(電子化文書)の保存は容認されていませんでした。
しかし、企業で困っているのは、手書きで入力した各種申込書や申請書や納品書などの文書が多いということ。
これらの文書は最初からパソコンなどで作成された文書ではないため、電子文書として容認されないことです。
したがって企業は、顧客が手書きで記入した各種申込書や他社からの納品書など、数多くの紙文書を引き続き保存する必要がありました。
これでは意味がない!という指摘が大きく上がる一方で、各企業は紙文書の保存が大きな負担になっていることを認識するようになりました。
国としても、 IT の活用をさらに促し、企業競争力を高めるためには、電子文書だけではなく、電子化文書での保存も容認することが不可欠だという判断から、2001 年にスタートした e-Japan 戦略の一環として制定されたのがe-文書法です。
お読み頂きありがとうございました。
次章は経済産業省が書類の電子化を推奨する理由②~書類電子化のメリット~です。