【IT重説】不動産売買契約に革命!不動産のペーパーレス化

ペーパーレス専門会社の株式会社vividです。

 

建設・不動産業界は非常に紙書類が溜まりやすい業界です。

その理由は、とにかく契約に関連する書類が多いこと!

そして宅建業法で定められている保管期間が長いこと!

 

これらが相まってかなりの不動産業界の会社は紙書類の管理に困っています。

正確には紙書類が大量にある状態が当たり前になっています。

 

不動産業界にもよく営業へ行きますが、

「ペーパーレス興味はあるんだけどね・・」という反応が多いです。

なんとかしたい気持ちはありながらも、なんとも出来ないこの状況。

しかし、国もペーパーレスを推進しています。

 

その波は不動産業界にも波及してきており、2017年にはいよいよIT重説が解禁されました!

 

IT重説とは?

1971年に改正された宅地建物取引業法以降、不動産の契約時には「対面」での重要事項説明(重説)が義務とされてきていました。

しかし、2017年10月から「IT重説」(ITを活用した重要事項説明)の本格運用が認められることになりました。

 

IT重説導入前の社会実験及び結果

いきなり2017年10月からスタートしたわけではなく、IT重説の有用性・問題などがないか事前に社会実験が行われた上での運用です。

2015年5月 IT重説社会実験ガイドライン公表
2015年7月 社会実験登録事業者の決定
2015年8月 社会実験を開始
2017年1月 社会実験を終了
2017年3月 「IT重説社会実験に関する検証検討会」とりまとめ公表

2017年3月の発表で、社会実験の結果は「問題なし」との事。

 

2015年8月から2017年1月までの期間で行った実験では、303社の宅地建物取引業者が参加。

しかし、実際にIT重説を実際に行ったのは53社にとどまった。

IT重説の実施件数は全体で1,071件中619件が1社で行っているなど、全体の8割が上位3社で実施したという結果が出ています。

 

つまり、303社登録しましたがこの中でもIT重説に取り組む会社はかなり温度差があることが分かります。

 

IT重説実施直後のアンケートでは、説明内容について消費者は

すべて理解できた・・・52.4%

ほぼ理解できた・・・・45.0%

となっており、ほとんどの方がIT重説での不備などがないことが分かります。

IT重説を受けた消費者の約6割がスマートフォンを使用するなど、パソコンに縛られないIT重説が実証できたようです。

 

ちなみに以前に対面で重説を受けた方がIT重説を受けた際のアンケートでは

重説もIT重説も理解度は同じ・・60.2%

対面のほうがわかりやすい・・・・27.9%

上記の結果が出ているため、ここは改善が必要だと思われる。

 

これらの実験からトータル的に見てIT重説を導入しても支障がないということから10月に不動産業界のIT重説が解禁されたということです。

IT重説は賃貸借契約限定!?

実はIT重説は全ての不動産取引で適用されるわけではない模様。

ここが注意点ですね・・・。

 

今回IT重説が認められるのは賃貸借契約に限定されるもの。

つまり、法人個人問わず売買取引契約については今まで通り対面での重説になるらしい。

 

しかし、国のペーパーレスに向けた施策を見ると、まず間違いなく売買取引契約についてもIT重説が近い将来認められることになるとは思います。

 

IT重説のメリット

では具体的にIT重説のメリットをみていきましょう!

遠隔地顧客の負担軽減

子供が遠方の下宿先を探すケースは少なくありません。

その場合、契約者となる両親が何度も往復しなければならないのは、費用面でも精神面でも負担が軽減されます。

このようなケースの際はIT重説はとてもメリットが大きいかと思います。

重説実施の日程調整が容易になる

重説は基本対面だったことから、なかなか平日に時間が取れないケースが多い社会人にとっては有難い制度かと思われます。

宅建士からしても、日程調整が行いやすく、契約前段階の煩わしい時間を短縮出来るのは大きなメリットかと思われます。

顧客がリラックスした状態で受けられるためトラブル防止に

不動産取引は一生で1回あるかないかという方もいるはずです。

そのような方が宅建業者と対面で説明を受ける際に、緊張をして重要な情報を聞き漏らしたり、確認を怠ってしまうケースがあります。

しかし、IT重説は自宅でゆっくりメモを取れる環境を整えてから話を聞くことが出来るため、取引後のトラブルが抑えられる利点もあると見込まれています。

録画・録音を駆使してエビデンスが取れる

言った・言わないの水掛け論を防止することが出来ます。

IT重説に用いる機器によっては録画なども出来るため、お互いが顔を見ながら説明をした・確認をしたを証明することが出来ます。

これも契約後のトラブルを防止する大きな利点かと思われます。

IT重説実施にあたっての遵守事項

IT重説導入にあたって守らないといけない事項をまとめます。

不動産業者と顧客がやり取り出来る環境整備

環境整備とは

「図面等の書類及び説明の内容について十分に理解できる程度に映像を視認でき、かつ双方が発する音声を十分に聞き取ることが出来るとともに、双方向でやり取りできる環境において実施していること」

テレビ会議システムというと大げさになり、コストが掛かりそうなイメージがあるが今では無料通話システムのSkypeなどもあります。

お互いがSkypeの用意が面倒であれば、アプリのインストールや指定されたURLへのアクセスだけで済むことが出来るソフトも多いので、顧客側にとっての負担はかなり低いです。

重要事項説明書の事前送付

IT重説実施前に宅建業者が記名押印した重要事項説明書及び説明に必要な資料を事前に送付すること。

※PDFなどの電子的方法による送付は認められていない

IT重説の流れ

重要事項説明書等の準備とIT環境の確認

IT重説開始前に相手に重要事項説明書とIT環境を以下の3点を中心に確認すること。

1、相手の映像や音声を宅建業者側の端末で確認できること

2、反対に宅建業者の映像や音声が相手の端末で確認できること

3、説明に必要な資料が相手の手元にあること

 

宅地建物取引士証の確認

IT重説の実施前に取引士証を提示して本人であることを相手に確認してもらうこと。

その際は相手の画面に取引士証の顔写真と画面に映し出されている宅建業者の顔が一致していることを相手に確認してもらう。

また、取引士証の登録番号等も確認してもらうことも必要

 

IT重説

相手方に対する内覧の実施は勧める

IT重説で問題ないという顧客に対しても最後まで内覧の実施を勧めることが望ましい。

後々のトラブルに繋がる可能性は出来る限り排除しておくこと。

問題が生じたらただちにIT重説を中断

IT重説実施中に映像の視認や音声の聞き取りに支障が生じた場合はただちにIT重説を中断する必要がある

IT重説の再開は問題が解消され、支障のない状態にしなければいけない

IT重説Q&A

Q、賃貸取引に係るIT重説の宅建業法上の位置づけは?

A、不動産業課長通知の要件を満たせば、宅建業法第35条に規定する重要事項説明と同様のものとして扱われる

Q,顧客から求められたときは必ずIT重説を行わなければいけないの?

A、宅建業者自らのIT環境や案件を踏まえて、宅建業者の判断で実施の可否を判断することができる。また、貸主等の同意の取得や顧客のIT環境の確認ができない場合には、顧客が求めていてもIT重説は実施できない

Q,IT重説は必要な機器がそろっていれば、実施場所の制限はないのか?

A,実施場所の制限はありませんが、視界不良となる場所や雑音が入らない場所を選定して下さい。

Q,取引士証の提示に際し、住所の部分は隠してもいいでしょうか?また、氏名や顔写真以外の部分も隠してもいいのでしょうか?

A,住所欄は隠すことが可能です。顔写真と氏名を隠すことは出来ません。

Q,説明の相手方からIT重説を行うに際して、スマホを使いたいという要望がありました。

A,不動産業課長通知に適合する機能をお持ちでしたらスマホでも問題はありません。ただし、スマホが画面が小さいため、取引士証や顔が十分な精度で表示できているかを確認し、図面等の提示がある場合には併せて確認すること。また、スマホですと通信トラブルの関係で途切れることもあるので、予め相手には電波状況を確認してもらうこと

不動産業界もIT化ペーパーレス化は必須に

紙書類が多い不動産業界でもIT化は必須になってきます。

今後紙で持っておくことのリスク(コスト・業務効率・紛失)が大きく取り上げられる社会がやってきます。

そのためには、今から出来ること(書類の電子化、IT化の導入、IT重説の取り組み)を行っていくことが大切です。

 

株式会社vividは不動産業界のお客様が多いです。

電子契約システムによる印紙税削減

電子ワークフローによる業務の簡素化及びペーパーレス化が実現出来ます。

 

現状の仕事と使用しているシステムを把握した上で適切な提案をしますので、お気軽にご相談下さい。